絵描鬼 〜第七回『創』〜
2005、7、29
同人作家として「創作」の末席にでも身を置く者として俺はしばし「創作」と言う事について考える。
「創作」とは本人が思う物、考えた物、溜まった物、渦巻く物などを
形にしたい、吐き出したい、見て貰いたいなどと言う情熱や衝動によって駆り立てられる
いわば準本能的な物だろうと思う。
そうして出来上がった物は創作者の気持ちから生まれた創作者の精神性の発露とも言うべき物で
それが生まれるまでの行程を考えるとロマンチックかつ感動的ですらある。
しかし一方その高尚なイメージと裏腹に「創作行為」自体にはロマンは無いのだとも思う。
「創作したいと言う情熱」と「創作物」との間にある「創作行為」は
その前後の精神的な物と裏腹に肉体的、物理的負担が大きいからだ。
「創作行為」とは常に体力、労力、人手、時間、金銭、〆切、在庫、私生活、客の評判、売り上げなどの
しがらみにまみれながらの打算とのせめぎあいだからだ。
「創作したい」と言う一時の衝動に駆られて 結果までの代価を払う事こそ「創作行為」ではないか?
原稿を描きながらいつもそう思う。
そうして出来た物が受け手に渡り ごく微かな批評、好評、反応を得た時に
創作者は初めて間接的にロマンを得るのではないかと思う。
ただ、これはマンガを描くのが好きでしょうがないと言うタイプでは無い自分の意見ではあるがどうだろうか。