本、読んでる？
２００３、５、２８
本を読まない人が増えているとお良く言われる昨今であるが、俺は結構読む。
健全なオタク少年として育った身であるから、
小学生で角川スニーカー、中学生で富士見ファンタジアと文字の癖をつけ、
中、高と図書館に入り浸ったお陰で中毒と言う程ではないが、なかなかの読書好きだ。
活字中毒と言う言葉があるが、確かに本には寝食を忘れさせる程の中毒性のような面白さがある。
娯楽の王を勝手に自称する身としてはこんなに面白い物を見逃すのは勿体無い。
そんな訳で俺が今まで読んだ好きな本、
最近読んだ面白い本を紹介しちゃおう。
「邪眼」 藤原京・著 集英社スーパーファンタジー文庫 全５巻
悪魔と契約した大学生・長尾。契約した悪魔は全てを見通す邪眼の悪魔ヴォラク。
貴重な悪魔を識別できる能力を持つが戦いはからっきしのヴォラク・長尾は
悪魔でも最強クラスの魔神ペイモンと契約した黒崎と組み悪魔と契約した者達の世界へ身を投ずる。
舞台は現代だが女神転生のように悪魔が跋扈する世界でなく、普通の社会。
悪魔と契約した者達は殺し屋、スイーパーのように裏稼業の存在で、
有力な者に頼まれ暗殺、脅迫するかたわら、その対抗力としても雇われる。
契約者同士の戦いは、相手の契約した悪魔の能力・正体を読み合う頭脳戦、
そして契約した悪魔の力の比べ合いで、勝ち目が無いと見た方が去り、
命を賭けたりはしないと言う仕事にも勝負にもドライなやりとり。
そんな中、主人公の悪魔を見破る能力や、悪魔が誰と契約しているか判る情報屋は非常に有力で、
それらを駆使し、頭と推理力と悪魔の知識で戦うのが面白い。
また殺人事件でも悪魔の能力がトリックで
相手はどんな悪魔と契約してるのかが推理のカギだったりと、「悪魔」の扱い方がまた面白い。
また主人公は完全な語り部に徹し、困ったら黒崎がゴリ押すと言うパターンもハマってる。
一見バトル物に思えるのだがその実、濃厚なミステリー＋ハードボイルドで無名なのが非常に惜しまれる作品。
機会あらば見て欲しい。
個人的には密室殺人の第４作「骨喰島」が好き。
「グインサーガ」 栗本薫 ハヤカワ文庫 現８９巻＋１６刊
端々で紹介しているが全１００巻予定の超大河ファンタジー。
豹頭の戦士グインを中心に激動する中原での一大群像劇。
グインのみに留まらず何人もの英雄、興亡に焦点を当て、文字通り一大サーガを作り上げている。
その膨大な量に圧倒されるが気にならない程の面白さでスイスイ読めてしまうのが凄い。
「オルファクトグラム」 井上夢人
「２００１年このミステリーが面白い」の第４位に選ばれた作品！
と言うとなんだか微妙のようだがギガンティック面白い。
猟奇殺人犯に姉が殺される所を目撃し襲われた主人公は
「におい」を失った代わりに常人の数百万倍の嗅覚とにおいを視覚化する能力に目覚める。
その脅威の嗅覚で犯人を追い詰める事は出来るのか…？
映画のＢＧＭと会話のように、通常視覚と嗅覚視覚を同時に視る主人公の嗅覚の視覚化に徹底した展開が強烈。
人どころか犬にすら勝る嗅覚で残されたニオイだけを頼りに全てを手探りで探っていくストーリーは
緊張感に溢れ、結構厚手の本なのに一気に読ませる面白さがある。
「６番目の小夜子」 恩田陸
ある学校に伝わる「サヨコ」と言う秘密のゲーム。
３年に１人「サヨコ」に任命された生徒は秘密裏にその伝承を実行しなければならない。
そして６番目のサヨコの年に転校してきた謎の美少女「津村小夜子」…
６番目のサヨコの年に一体何が起こるのか…
今や映画、ドラマの主役級のアイドルが何人も出演し、
そのスジには伝説的なＮＨＫの同名ドラマの原作にして作者のデビュー作。
ドラマも面白いのだが、原作は全然違う展開で２度楽しい。
この作者さんのなんと言うか全編にうすら恐ろしい謎めいた感じの作風が、
全編通して心地よい緊張感が続く。青春モノ、ミステリー双方として快作。
他に印象深かったモノとしては「十二国記」「クリス・クロス」「タイムリープ」「クラインの壺」など。
マニアックなトコなら「夢探偵・八尾一気」なんかも色んな意味で面白いな。
なんか趣味丸出しで好き勝手書いたな。
上記のように読むモノは問わず。
フト興味を持てば読むし、薦められても読むし図書館やらで説明に惹かれただけでも読む。
割と片っ端だな。
面白いモノに境界は無い！
そう言えば結構序盤に言ったが中学後期から高校半ば辺りの３年くらい俺はずっと図書館に入り浸っていた。
図書館にあった交流ノートに友人達と一緒にハマって以来、
図書館友達が出来たり、司書さんと仲良くなったり、学校が違う中学の友達と普通に待ち合わせしたり…
今思うと結構普通じゃないよな。
今でも時折行ってはグインを一握り借りては原稿や更新を滞らせたりしてる。
字がキライな諸兄も面白いので本を読んだりするが良いぞ。