龍騎追想3


2003、2、2

 

TV版、映画晩と感想を書いてきて正直龍騎観てなかった人は退屈でスマン。

締めは作品自体に触れたり重箱の隅をつついたりしたい。

 

開始前の発表の段階では「円谷ヒーローかよ!?」的なキャラデザ

「13人のライダーがカードで対決!」と言う腰砕けな設定に萎え萎えだったが、

最終的には皆1年間キッチリ楽しめた凄い作品だと思う。

 

やはり龍騎の一番の特色は『複数のライダー同士の戦い』であろう。

 

なんか似たシチュエーションを聞いた事が無いか…?

そうだ!Gガンダムだ!

と、言う事でここで私は龍騎≒Gガン説を打ち立てたい。

Gガンと言えばオイシさだが、ここではストーリーの方に着目したい。

 

二者の最大のウリであり特色は『主人公であるハズの物の複数化』である。

これは賑やかし的にもファンサービス的にも非常に分かり易く楽しいスタイルであるが、

その面白可笑しい面とは裏腹に

『オンリーワンである筈の主人公の複数化』=『主観の多様化』である。

つまりガンダムならジオン、ライダーならショッカーやグロンギが

主人公=番組視点での唯一の敵だったのが

ヒーローが多数になる事で、そこに主観的な正義は無くなる。

主人公が勝つ事は別の主人公の敗北となる訳だ。

正に大久保編集長の『この戦いに正義は無い』だ。

 

そしてある意味上記の延長なのだがもう一つは、それぞれの主人公は大願の為に闘っていると言う事である。

と、言う事は主人公が望みに近づく事は他者の夢を踏み越えて行くと言う事だ。

そして残ったのは夢破れた物の哀愁である。

『あるのは純粋な望みだけだ』との言葉その通りである(多少不純な奴もいたが)

 

この2点が二者の共通性であり最大の魅力ではないかと思う。

だがGガンダムで賭けていたのは祖国の誇りとメンツだが、

龍騎があがなうのは己の「命」。

だが作品自体は実際観ると真司の明るさやバカシーンなどもあり、

重過ぎないよう作られているが、

根底に流れる『死』を前提にしたデカダンスさが俺は好きなのかもしれない。

 

そして別の角度から見ると予想以上に熱かったカードバトルとそれに対応したトイによる

子供、大きなお友達向けのトイのセールスや

美形&狙いまくりの女性向けな展開と言う点も捨てがたい。

ストーリーの流れ、設定には穴が所々あるものの、

純粋に楽しめたのではないか。と言うのが個人的見解である。

未見の方も興味を持ったら是非観て欲しい物だ。

 

 

ところで上記に『設定の穴』と言ったが、確かに気になる点はチラホラ。

あまり龍騎板に出入りしていず、龍騎フレンドもいないので

まとめてココで一つずつつついてみようかと思う。

 

長いので小さく勝手に疑問!龍騎の穴!

・ライダー同士の戦いの勝者に与えられる望みって?

『ライダー同士の戦いに生き残った最後の一人には望みが叶えられる』と神埼士郎の誘いに乗り

数々の者がある者は信念、ある者は命、そして欲望の為に仮面ライダーの修羅に飛び込んで行く。

だが士郎がライダーバトルを主催した目的は優衣の存命。

勝ち残った最強のライダーの命でタイムリミットが来る優衣を救おうとした。

つまり士郎は最初から望みを叶えてやるつもりは無かった?

最初から士郎の罠だった恐れもある。

いきなり根底からひっくり返される仮定であるが、映画の蓮が気付く以外誰もその事に触れない。

そしてTV最終回には賞品が「なんでも叶う望み」だったのが「新しい命」に摩り替わっている。

このライダー同士の戦いと言う物自体がアヤシイのだが、

ある考えとしては一種の儀式のような物ではないのか?とも言える。

ミラーワールドのモンスターをすら使役できると言う強大な力を

表の世界の部外者に与える事による力の集約みたいな…?よく分からない。

でもオーディンの反則さを見ると儀式の上に成り立った出来レース感もあるな。

 

・優衣がミラーワールドのモンスターを作れた理由は

優衣は幼少の頃死に、ミラーワールドの自分に命を貰ったり(TV版)

ミラーワールドに行って帰れなくなり命を貰った(映画)りしてるのがそもそもの始まりで

優衣は自分を守って貰おうと描いたモンスターの絵がミラーワールドのモンスターとなった。

全ては優衣がミラーワールドを使役できる能力をもっていたと言うことであろうが、何故だ?

まぁ「雫」みたいに元々そういう能力があったって事であろうか?

 

・士郎っていつ死んだの?

アメリカで死んだ事になってるが、なんで?

そしてミラーワールドの生き物になれた理由は?気合?

 

つーかミラーワールドってナンだよ!

まったく別の生き物の影優衣がいたかと思えば

優衣が描いたモンスターを具現化させたり、

真司の葛藤で影真司が生まれたり…

常にあって現実を映しつつ独立した世界って感じなのかな?

 

・ゾルダ引退って可能なのかよ?

映画では虚しくなっちゃったと言ってデッキを置き引退するゾルダ。

残るライダーからはちゃんと引かれている。

TVでも病気で倒れて士郎じきじきに脱落勧告をされる。

コレって有りなの?

インペラーは「金持ちになる」と言う望みが早々に叶ってしまい

ライダーを辞めたくなったのに受理されず契約モンスターに怯え、正に文字通り死ぬ程困ったのに…

内輪では「放って置いても死ぬから」や「死にかけの奴が残って優衣に捧げても意味が無い」説が有力なのだが。

 

モンスターが人を襲う理由は?

モンスターは人々を襲い、終盤では大量発生し

ついには真司もその魔手にかかる。

そもそもなんでモンスターが人を襲うんだ?

やっぱ神崎兄弟の憎しみとか、防衛本能とかなのかな?

じゃあ神崎兄弟がモンスターを描く前はモンスターは人を襲わない。そもそもモンスターはいない?

またミラーワールドの根源的問題になってしまうのだけどな。

 

TV最後の平和な世界ってなんなのさ?

最後に全ライダーが生きて神崎兄弟の居ない世界が映る。

あれはパラレルじゃなくて楽しい絵を描く事にした神崎兄弟の所為で再生されたのかな?

それともあれってタイムベントなのか?

俺的にはサバイブ〜無限〜説も捨てがたいのだが。

 

さんざ問題したが当然俺は答えを知らん。誰か詳しい人は意見をくれ。←勝手

考察板とか覗いてこようかな。

 

 

ライダーの望み

君がライダーになったら何を望む?

色々ありそうに見えて、実はこの13人が全てを代表しているように思える。

まとめて見ると

信念…龍騎、ライア、タイガ

命…ナイト、ゾルダ、オーディン、ファム、リュウガ

欲望…シザース、ガイ、王蛇、インペラー、ベルデ

こうしてみると

欲望派の死亡率は高く信念派の生存率は結構高いが、気合の入り方では命派と言うトコであろうか?

 

 

全ライダーべスト死に様!

夢半ばに散ったライダー達。

それは儚く哀しく、そして美しかった。

そんなライダー達の最後を徹底比較したい。

右のは全死にパターン

 

龍騎…TV

やはり一番だろう!

TV版感想でさんざ語ったが

最期の力を振り絞り、ジャンプもままならないファイナルベントと、

「お前は…なるべく…生きろ…」

には泣くしかない。

ナイト…TV、13

13のキン肉ドライバー死は帳尻合わせくさいのでTV推し。

最後まで生き残り念願の恵理の命を救ったのに命尽き果てる蓮。

それはベタなのだが、恵理は「眠ってるの〜?」と気付かない様子に泣き。

コレが男の死に様か!

シザース…TV、13

TVではデッキを壊され契約モンスターに喰われると言う見せしめくさいガイバー2的な最期を迎えるが、

コレはライダーバトルに於ける死の現実味を表す尊い犠牲ではないか?

あとナイトのファイナルベントと真っ向から打ち合って勝った実力は見落としがちだ。ベルデは逃げて死んだのに。

13は…王蛇にバッサリってどうなの?

これで王蛇を捕らえられたのは何故だ…?

ファンの妄想では「泡を吐いて捕らえるカード」があったに違い無いと言うのが定説。

ゾルダ…TV

死にそう死にそうだったのに結局、死んだのはTVだけ。しかも病死。しぶといなぁ。

死にそうになりながらも朝倉との戦いに赴く北岡。

だが王蛇に敗れたゾルダは吾郎だった!

念願の玲子とのデートも朝倉との決着も叶わず、光に包まれ息絶えるその姿。

師弟愛(?)は泣くよ。

ライア…TV、13

13は噛ませ犬的だったのでTVでしょ。

信念の為に戦い、運命を否定したいが為、自らの命を捨ててまで真司を救う姿にはただただ涙。

ガイ…TV、13

俺は個人的にコイツ嫌いなんで、結構どうでも良さ気なんだけど、

クモに喰われちゃうよりは王蛇に裏切られるラスが吉。

戦いをナメた者の末路である。

王蛇…TV、映画

あー!!王蛇はどっちもオイシイんだよな〜!!

映画の執念深い最期も好きだが

朝倉のピカレスクさ的には鉄パイプ一本で警官隊に向かうTVの方がカッチョ良いかな?

ベルデ…13

さんざ殺った割には殺しそびれたナイトのファイナルベントに背を向けて逃げる始末。

ナイスチキン振りがマニア心をくすぐる。

タイガ…TV

英雄妄想に追われ過ぎ、何がなんだか分からなくなってしまうも、

子供を事故から救うという戦い以外の場で命を落とす。

しかもソレが新聞では英雄として称されるのが非常にシニカルで良い。

インペラー…TV

金持ちになって良い暮らしがしたいと言う単純な願いすら早急に叶ってしまった佐野は

ライダーを辞める事が叶わず苦悩し、その弱みを突かれミラーワールドで他ライダーに敗北。

鏡に映る現実世界の婚約者に声も届かず塵と化す。

安易に登場した割に非常に好エピソードで哀しい最期であった。

ファム…映画

コレも映画感想でさんざ書いたんで省略気味だが、

真司には瀕死なのを悟られぬよう気丈に振る舞い、茂みに倒れこむ。

ビジネス街の朝、道行く一般人は誰も彼女の死に目を留めず、

真司すらそれを知る事がない。

あ〜何度観ても泣くわ。

カラスがベタながら皮肉的な最期を彩る。

リュウガ…映画

映画のウリの一つなんで危うくR&Mを買いそうなカッコ良さだった。

死に様は龍騎と一騎打ちの果てに爆発なんで比較的地味。

オーディン…TV

なんか最期まで偉そうだったよね。

ナイトにファイナルベントを破られたりするオチがあると納得するのだが…

 

女性向け?

これまで積極的に目を逸らして来たが新世紀ライダーと言ったら女性ウケの部分を見逃す事は出来ない。

クウガにより築かれた女性市場の開拓は特撮における快挙とも言え、

それは同人の世界にも大きく影響を及ぼしている。

 

特に龍騎は13人のライダーが登場!

と言う事は皆美形!

と非常に腐女子の煩悩をくすぐる作りとなっている(俺も結構好き)

だがあまり女性向けは見に行かないのでどんなのがあるか分からないのだが、

ベタなカップリングをあえて、擁護してみたりして。

真司×蓮…戦友同士の熱き友情ってんじゃダメ?

北岡×吾郎…美しい師弟愛(?)じゃあ無理?

朝倉×北岡…男同士の熾烈なライバル関係ってのはキツイ?

まぁサービス過多には思えたがなんとかならなくも無かろう。

ただクリスマスにバイトが明けるのを待ってまで

男同士2人で祝う手塚と親友は言い訳のしようが…

 

 

特撮物向けファンサービス!

一方打って変わり特撮物にも嬉しい仕様が山盛り!

つーか王蛇がシャンゼリオン!

ライアがウルトラマンアグル!

タイガがウルトラマンネオス!

シャンゼvsアグルは興奮必至じゃな。

 

締め

最終回付近で一気加熱した所為で世の龍騎熱に乗りそびれた鬱憤も晴れた所でまとめるが、

さんざ真面目くさって語ってみたが、

シザースに見るオイシイキャラや、

島田さん等のベタなギャグ、

士郎の「だたかえ!」も含めバカマンガ的にも見れ、

内容に反し重過ぎないよう作ってあり、

純粋な特撮としても名作であったと思う。

 

俺は比較的、特撮には深く思い入れないタチであるのだが、

その中でもダイレンジャーと並びトップに躍り出る程にまで急に愛してしまった龍騎である。

毎月ビデオがリリースされて行くのでいつかまとめて観て欲しい物だ。

 

老後まで観たい作品ランキング入りである。リッチになったらDVDやらを買おう。

 

じゃあ最後、ヘルズ商事的にはコレで締めよう。

シザースのR&M出せよ、バンダイ!

値崩れしている内にライドシューターを買おうと企てつつ終わる。

 

 

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