龍騎追想1


2003、1、29

 

仮面ライダー龍騎が終わった。

今思えば前評判の悪さに対し、多少ツッコミ所はあるとは言え

1年間多くのファンを楽しませた快作だったと思える。

 

自分の中でも振り返ると、終わってみて初めて

『俺は龍騎が好きだったんだなぁ』と思い知る。

今回の龍騎は新世紀ライダーの俺内ランキングでもダントツトップ、

自分は基本的には特撮は戦隊派なのだが、1特撮としても屈指の名作だったと思う。

 

なのにこのまま惰性に任せ555に走るのではなく、

一度ちゃんとしたキリを付けようかと言う事で、

激動の最終回とその勢いでレンタルした映画版の感想なんかを書いていこうと思う。

 

 

TV版のラスト付近〜あらすじと感想〜

予定より早い優衣の消滅。戦いを望まない優衣の願い虚しく戦いを強要する士郎。

20歳で消える理由はイマイチ分からないが優衣の消滅は聞きかじっていた映画版よりは

自然消滅の方が美しいと思う。

時期の早さでまだ士郎の戦う意味が消えてないのも良い。

 

ライダーだとOREジャーナルの皆にバレてしまう真司。

「たとえ答えが出なくても、出来の悪い頭で必死に考えて来た、それだけで上等。

ここまでやって来たことを信じ、最後の選択肢の中には“自分”を入れることを忘れるな」

だが、真司を励ます大久保編集長。

最後まで犠牲の上の命を望まず消えた優衣の想いと共に改めて自分の戦う理由を考える真司。

 

そして街に溢れかえるモンスターとの戦いに赴く蓮と真司だったが

真司は深く傷付き息も絶え絶えであった。

「やっと、ちょっとは答えらしいもんが見つかったかもしんない」。

「戦いを止めたい・・・それがライダーの一人として、俺が叶えたい願いなんだ」

と危機と死の中で自分の目的に辿り着いた真司。

「だったら生きてその願いを叶えろ!死ぬな!」と叫ぶ蓮の励まし虚しく息は弱っていく。

「お前が俺の心配をしてくれるなんてな・・・」消え入りそうな声で蓮に話し続ける真司。

「蓮…お前は…なるべく生きろ…」の言葉を最後に真司はその息を引き取る。

 

このシーンは泣いた!感度した!ここで一気に新世紀ライダーの俺内ランキングトップに踊り出た感じだ!

主人公を死なす展開の渋さにも驚いたが、それ以上に真司の真摯さが胸を打つ。

やはりここで着目したいのは真司最期の台詞「蓮…お前は…なるべく生きろ…」

「なるべく」だ!

消え行く自分の命を感じつつ、死闘へ赴く相手を心配する最大の心遣いが

「なるべく」なのだ、きっと!

いや、マジ泣いた。

 

一方引退を決意した北岡だったが、朝倉が警官隊に包囲された連絡を受け

夢の玲子さんとのデートを蹴ってまで決着を付けに行く。

 

廃工場で王蛇とゾルダの死闘。

妙に動きの悪いゾルダにトドメを刺す王蛇。

違和感と喪失感から倒れたゾルダを呆然と見送ると…

変身が解けた姿は北岡ではなく吾郎ちゃんだった。

「先生、また美味いモン買って帰ります…」息を引き取る吾郎と、

自宅で光に包まれながら目を開かない北岡。

ライバルの不本意な消滅にやり場の無い怒りを湛えた朝倉は

鉄パイプ一本を手に警官隊に突っ込んで行く。

そして銃声。

 

ここもラストへ向けての急展開!

北岡の死。その意思を受けて戦いに望む吾郎のひたむきさ!

ホモホモしいだなんて言うんじゃねぇ!

 

最期まで無頼漢だった朝倉の死に様も涙。

だから三角関係とか言うな!

 

ナイトとオーディンの最期の戦い。

圧倒的なオーディンの力の前になす術も無いナイト。

繰り出されるオーディーンのファイナルベントが炸裂する直前に士郎の発狂。消え行くオーディーン。

最後のライダーとなったライダーの前に与えられる「新しい命」。

 

恵理にあげるつもりだった「命」だが、一瞬優衣と真司の顔がよぎる。

意を決し、ボロボロの体を引きずり恵理に新しい命を与える蓮。

だが恵理が目覚めた時、蓮もまたこと切れていた。

 

大久保編集長の独白

「この戦いに正義は無い。あるのは純粋な願いだけだ。」

 

「望みが叶う」だったのが「新しい命」に商品がすり換わっているのは何故だ?

だがそんな事を気にさせぬ悲劇的にして美しい結末。

編集長の言葉が仮面ライダー龍騎の全てを物語っている。

これは俺的龍騎論を後述しよう。

 

エピローグ

あわただしいOREジャーナル。遅刻してくる真司。

金色のカニの取材を命じられ意気揚々と繰りだすも

愛原チャリがガス欠でとぼとぼ歩く真司。

交差点では自転車に乗った東條とぶつかり、

路上で占いをする手塚には「ツイてない」と宣告され、

イライラしながら歩く朝倉に原チャリを蹴っ飛ばされ…

たまたま立ち寄った花鶏に入ろうとすると店から出てくる蓮と

何度もぶつかりそうになる。

不満げに店に入る真司を見送る蓮

紅茶を淹れる紗奈子さんの横には幼いままの神崎兄妹の写真が飾られていた。

 

えっと、コレはミラーワールドでモンスターじゃなくて楽しい絵を描く事にした神崎兄妹の所為で

自分達だけがいないで幸せな世界になるよう再構成された。と言う事か?

タイムベント説や結局本編に出なかったサバイブ〜無限〜で再生と言うのも考えられるが

どれも確証は無いな。あと1話とは言わんが、せめて15分(ナイトODN戦と再構築説明とエピローグで5分ずつ)は欲しかった。

まぁ一番ありがちに思えたリスタートオチだったが、

タイムベントでムリヤリ映画に繋いだりはしないで良かった。

なんだかんだ言っても全員死ぬんじゃないハッピーエンドで良いと思う。

普通に生きる皆を観れるのは嬉しいしな。

懐かしそうに振り返る蓮だけは戦いの記憶がある物と俺は解釈するし、そう思いたい。

ところでガイ芝浦やインペラー佐野は復活しなかったのか?

ただ番組初期で金色のザリガニだったのが金色の蟹になってるのは

悪人だったシザース須藤が人間に転生しそびれた物だと思いたい…

って最後まで蟹オチか、俺は。

 

 

映画の感想や死に様研究をしたかったのだが、TV版だけで随分喰ってしまったので

数回に分けよう。

急いでアゲるんで待ってプリーズ。

 

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