萌え絵!


2002、7、26

 

さて前回「続く」とか言った割りに、原稿に追われサッパリ書けませんでした。スマヌ。

先日はアニメ絵の話をしようとしたらルーツにさかのぼってしまい、

肝心の話にたどり着かなかった所なので今回は萌え絵について。

 

はてさて。前回アニメ絵は日本の民族性による物であり

美術文化の一旦にまで昇華されていると言う事を話したと思うが、

言いたい事が無いわけでは無い。

 

と言う訳で、今日の本題の萌え絵の問題提起と行きたいと思う。

ところで「萌えヘイト」と言っている私ではあるが

萌え絵が可愛いと思えない訳では無い事を先に言って置きたい。

奈良ば何故萌え絵に問題提起をするのかと言うと、

その可愛さがクセモノなのだ。

 

例えてみるならば最近のPCゲームを例に取ってみよう。

私はもう最近のPCゲームはやっていないので、全くのドシロウトだと思って欲しい(90年代前半はイケるのだが…)

PCゲームだと乱発やブランド主義やシナリオなど別の問題も発生しそうな気もするが、

それは他の識者に任せて、今回は絵柄のみに焦点を絞った話をして行きたい。

 

タマにパソゲー雑誌を見て思う事がある。

・目立つのは有名作家が原画という物、

・超々有名メーカーの新作、

・そして雑誌に1〜2本だけある、クセが強くハッとさせられるイカした絵柄の物…

すると後にあるのは同じような萌え的絵柄ばっかではないか?

 

詳しい人に言わせれば「この人は〜〜で有名な○○さんであの人の絵とドコが似てるんだ。」

と言う話になるだろうが、あくまで素人目での話しだ。

そして逆に言うと素人目には同じ絵柄にしか見えないのが萌え絵の現状ではないか?

つまり私が問題としたいのは萌え絵の無個性性なのである!

 

「萌え絵」は可愛らしく「萌え」を感じさせる00年代現在の主流の絵柄であるが、

前述した通りどうも個性が希薄な感じがしてならない。

マンガ絵の記号化と言う話を前回したが、まさにソレである。

萌え絵は可愛く見せるだけの記号の羅列にした過ぎないのではないか!?

「いくら記号とはいえ、ちょっと記号すぎやしませんかあ〜〜〜?」(By自由学園)

って事だ。

 

マンガ絵は記号であり、デフォルメであり、様式なのであると考えると、

記号一つに特化しすぎた萌え絵はある種の終着点であり、発展性が感じられないのである。

つまり可愛い故に可愛過ぎ、可愛い時点で完成してしまい、

可愛さ以外の物を表現できない画法なのであろうかと

たった今思ってみたりする。

 

すると自分の中での不可解な萌え絵の嫌悪感も納得が行く様になる。

発展性の無さ、表現が出来ない所がイヤなのだ。

美を感じるのは本能であると私は提唱する。

特に異性への美意識は種の本能に根ざしていると言っても過言では無い。

目は目、鼻は鼻、口は口と全てデフォルメされようと、そこには美やその他への表現があるのであり、

純然たる記号と化した物は情報以外の何物でもない。

そこには表現と美への執着が欠乏しているのであるかに思える。

それともこの意見は少なくとも受け手では無く作り手でありたく思う

同人屋(ヘボ)の意地であり、信念なのであろうか?

 

そして、「無個性だからこそ賛美されているのでは?」と言う意見も友人より受けた。

つまり受け手は独特でクセのある物よりもコンスタントに可愛い絵柄を求めていると言う風潮であろうか?

それに加え萌え絵隆盛の中でのPCゲームの普及と乱発により、

人々は「萌え絵」だけで個人個人の中に

勝手に萌えを構築できるようになっているのやも知れぬ。

 

にしても、もしこの説が幾分でも合っているとすると残念な事でもある。

90年代もアニメ絵的様式美な絵柄はあり、主流の絵柄と似たり寄ったりの物もあった。

当時をバッチリオタクとして育った私も当然それらを享受していたが、

その頃のオタクにはもっと飢えと言うか気迫のような物があったような気がする。

・超ハードときメモラーの人、

・今や存在がセンチメンタルなセンチに大転びした人、

・エヴァ熱で狂ったようにグッズを買い漁りキャラにハマりまくった人

それらはついこの前の事であり、今のオタク事情と大差ないように思えるが、

彼等は明らかに自らをも焼きつくす「燃え」であったように思えた。

 

すると少なからず現在の受け手側にも問題、病みがあるのかも知れない…

 

 

と言う事で今回は終わり。

次は前回、今回を踏まえた上での私の絵に隠された真実に

迫ったり迫らなかったり。

「元々がヘッポコじゃねぇか!」ってツッコミは厳禁だぜ!


    

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