ヘボット
散々推してたアニメ、ヘボットが2017年の最終回から
3年ぶりYoutubeのバンダイナムコチャンネルで
「毎日1話:1週間アーカイブ」で全50話放送するよ!
(※ブログ掲載時にした!)
丁度いい機会なのでヘボットがどんな作品だったか。
開設やスジではなく体感とか概念として見つめ直してみたいと思う。
★細かいネタバレはしないけど概要の為のネタバレは少々あるよ。
●あらすじ
人間とパートナーのロボ「ボキャボット」が共存するネジが島。
王子ネジル・ネジールは11歳の誕生日に運命のボキャボット「ヘボット」と出会う。
…と言うありきたりなあらすじはあまり意味を成さない。
・コロコロっぽい小学生向きちょい下ネタギャグ
・アラサー、アラサーを狙い撃ちするようなパロディ
…が20秒に1度は繰り出され笑うにしても引くにしても何かと思う前に次のギャグに畳み掛けられるハイテンション芸
※非常に緻密なマシンロボ〜クロノスの逆襲パロ
ギャグアニメの世界ですら容認できず世界をバグらせる世界崩壊ボケ
当初は「ビュティのいないボーボボ」「カブトボーグの再来」と言われながらも
妙に律儀にホビーの販促も入れつつ、
女性人気も獲得しつつ(特に兄チギル登場以後)
1話アバンの「シリアスパートをやるフリのボケ」に見せかけた、
重厚なバトル物の不穏さが徐々に見え隠れする。
そんな物をコンクリートミキサーにブチ込んで日曜朝7時から放送し、
「脳とけアニメ」と呼ばれるような狂気で視聴者を混乱に陥れながらも最終的には
恐ろしい程に美しい大団円を迎え「伏線を回収するエヴァ」と言われるようになる。
確かに最終回をリアルタイムで見た時の自分は
「誰もが納得して祝福するエヴァTV版最終回の再解釈を見たようだ」と思ったものだった。
この混沌としたアニメを部分部分で書いて行こう。
●SF
割と早々に判明するので書いちゃうけど本作はタイムリープ物になって行く。
主人公は台風の目のようになっていて事態を観測できず、
周囲の人がタイムリープの苦悩や影響を受けて行くと言うのは
結構珍しい構図ではないだろうか。
前述したが1話のアバン数分で真面目なバトルをして
「多分すげー先の展開をやっちゃったヘボ!」とヘボットがフォローする所からはじまる。
「そう言うギャグ」かと思ってスルーしていると、
毎回アバンと終了間際1分半くらいで小出しにするシリアスパートの重要度が上がり
1話で「真面目なSFでは…」と予想して狂人扱いされていた
3話、6話くらいで「SFのスジはやはり本筋なのでは…?」と訝しんでると
公式から「イミの無い踊りをする人」が出てきて深読みするなと煽ってくる!
考察勢の妄言が実は真実だったと判明する23話!
ギャグキャラの中でも
信じるべき物が足元から崩れる。ギャグだと思っていた物が寄る辺ない物だと分かる。
これは現代のクトゥルフ神話ではなかろうか!
言い過ぎか。
…いやでも視聴者が世界観を広げるのを肯定してるし、
やっぱり現代のクトゥルフ神話では…
クトゥルフ回もあるし言い過ぎじゃなかった。
ちょいちょい古典SFパロが出てくる事でも分かるように
監督のSF造詣の深さがギャグの根底にも流れつつ、
小学生向けアニメであると言う部分もブレなかったから
このSF的美しさとクレイジーさの融合がなされたのではないだろうか。
個人的には2017星雲賞を狙ってほしかったのだけど
審査員にヘボット50話を見てもらうのは心苦しい気持ちもあったのでしょうがないw
●DVDとコアなファン
ヘボットは玩具の不振があり一部打ち切りになったり縮小したものの
アニメの人気がすごくSNSでの評判も凄かったけどDVD-BOXの売り上げがが伝説的。
300以上で発売決定(割り込むなら発売中止)
400で三方背ボックス、500でペーパークラフトが付くなどと言う、
クラウドファウンディングのように受注が伸びるほど特典が増える方式だったのだ。
最終話直前までは2000がギリギリか…!と言う所だったのに
最終話の感動で3000突破!
3000と言えばDVDボックスとして売るならプリキュアでも難しい数字らしい。
やったぜウェ〜イ!!
はてさて3000達成した時の特典だが
DVD-BOX全話にBluray全話が別に付く(つまり2セットが1セットの値段)
と言うクレイジーな仕様だったw
1セットのお値段でまったく同じ全話が
DVD-BOXとBlu-rayが2セット付く!!
受注日前日の監督のトークショーの後に受注を絞め切ったら
更に上積みして一晩で倍の6000を突破すると言う
アニメDVD業界でも異例のよく分からないヒットを飛ばしたのだった。
単純計算で2億円以上の売り上げ!
このお陰か「なんかオモチャ売れなかったのにファンが妙に居る」扱いになってて
放送終了しても応援上映やコラボカフェやったり、
発売中止になったネジが受注生産とは言えリリースされたり。
マネーこそパワー!と言う強さを感じる。
※追記
この20年夏のyoutube再放送の後にBlu-Rayの再販があった。
流石に2セットは付属しないが、500件超えれば特典で
「画質を落としたけど50話が一気に観れるディスク」が付属してこれも達成した。
全話リピートに加えて1〜49話リピートが選べると言う仕様がニクいw
●イインダヨー
って真面目にブチ上げてみたけど考察勢の自分が書いてる時点で大分SFに寄ってる内容になってる気がするけど
ヘボット役の井澤詩織さんがファンブックで言うには
「分からない物は分からないで良い」と言っている。
ギャグだけ見てもいい。
ヘボットとの少年が成長するバディ物として見てもいい。
女性向きとして見てもいい。
スゴスゴインダーネジのスゴ様が言うようにどうやって見てもイインダヨー○》◎ω◎《○
最終話のネタバレは出来ないがすべてを許容する懐の広さがヘボットにはある。
面白いアニメはここ数年でも何本か思いつくけど
「視聴体験」自体が面白い作品はヘボットが群を抜いているのではないかと思うので
可能なら1話から追体験して欲しい。
しばらく経ってから監督が
「見返してみたけど一度に2時間が限界だ。脳がとける」
と言ってたのでyoutube再放送の一日一話は優しい仕様と言えるね!
お前が言うな!w感が凄い。
最後に今回の一挙配信をニュースサイト、ナタリーさんが記事にした時の画像4選。
…すごい…分かり過ぎてるチョイス
しかし旧友にヘボットをオススメしよう!と思って自分も見返してたのだけど
「若い時の飲んだ後のラーメン」のつもりで薦めてたのに
今見返したら「オッサンが起き抜けに喰う二郎」ぐらいの高カロリーさだった!
…俺は…安易に薦めても良かったのだろうか…
それでも各話は1週間だけのアーカイヴなんで序盤の話は急いで見て!
※追記〜再放送は終わったけどバンダイチャンネルとかで見れるよ!
2020.8.5